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マレーシアのロスマ夫人と安倍昭恵 国を傾かせた首相夫人の共通項
マレーシアのロスマ夫人と安倍昭恵 国を傾かせた首相夫人の共通項
今年5月のマレーシア下院議員選挙で大敗し、政権の座を追われたマレーシアのナジブ・ラザク前首相が7月3日、政府系ファンド「1マレーシア・デベロップメント・ブルハド」(以下、1MDB)の資金を不正に流用した疑いで逮捕された。政権明け渡しからまだ2カ月。事態のあまりの急展開とナジブ氏の急転落は、平家物語の冒頭にある一節「おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし」のくだりをも思い出させる。

1957年の英国からの独立以来61年にわたり、マレーシアは最大与党「統一マレー国民組織」(UMNO)を軸にした与党連合による超安定政権が国を運営し続けてきた。 今回、92歳で再び首相に返り咲いたマハティール首相も、この超安定政権の枠組みのなかで、22年にわたりマレーシアを統治してきた経験を持つ。

ナジブ氏もマハティール氏も、かつては共にUMNOの幹部として、同じ釜の飯を食ってきた仲間。ナジブ氏が政権の座を追われたことで、これを、“落としどころ”とするのだろうと思われた。いわば、金持ちケンカせずというわけだ。しかしマハティール氏は、終始一貫してナジブ氏の汚職を追及し続け、ついに今回の逮捕につながった。

ナジブ氏を輩出したラザク家は、「マレーシアのケネディ家」とも称される名門中の名門。第2代首相で「マレーシア発展の父」と呼ばれたアブドゥル・ラザクがナジブ氏の父親で、第3代首相フセイン・オンは叔父に当たる。さらにさかのぼれば、ナジブ氏の母方の祖父は、マレーシアに最初にできたカジノで財を成し、UMNOの誕生を資金面で支えた人物である。

翻って我が日本の安倍晋三首相も、母方の祖父が岸信介元首相、大叔父が佐藤栄作元首相で実父が安倍晋太郎元幹事長と、そうそうたる政治家を輩出した政治家一家出身であり、その点ではナジブ氏に似ていなくもない。しかし、日本の大学でも学んだことのある、ある親日家のマレーシア人は、「共に、ファースト・レディの妻の言動に振り回されている点でも、非常に似通っていますね」と、苦笑気味に語るのだ。

学校法人「森友学園」の国有地売却をめぐる一連の騒動は現在進行中の問題であり、安倍昭恵夫人の関わりがあったか否かの論評は、ここでは控えよう。

【日時】2018年07月16日 15:15
【提供】デイリーニュースオンライン





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